多目的ヨット=5mプレジャーディンギー

本当は日本にピッタリな17ftヨット

DaySailer17に乗っていると、「いいですね。でも、もっと大きなヨットが欲しくなるんじゃあないですか」と言われました。

もっと大きいというと、例えば30ft(フィート)のキャビン付きインボードエンジン付きクルーザーヨットでしょうか。

こういう考え方が根強くあります。

何なんでしょうか。なぜもっと大きなのがいいんでしょう?

日本では「いつかはクラウン」的発想が強く、こういう17ftとか21ftとかのヨットはもっと大きなフネへの過渡的なもの、一次しのぎ、入門的なものとみなされがちです。

RIVREがACTUS17を製造販売したときも、この問題に直面して

「最初の…」の、そして「ずっとの」パートナー

というキャッチをつけました。出典⇒https://www.rivre.co.jp/product/actus/
開発者と話したことがあります。「将来的には大きなフネが欲しいが、とりあえずコレで(我慢??)」扱いされるが、、違うんだ、と強調されていました。
↓ACTUS17(日本製)

かなり日本特有の現象のように思えます。Youtube見ていると、アメリカでもヨーロッパでも、様々なサイズ、様々な形、皆思い思いに楽しんでいます。

経験的に大部分の人はもっと大きなヨット持っても、より楽しめるということはありません

より大きなヨット(固定キール、キャビン付きクルーザ)を持った場合、多大な置き料が掛かるのはもとより、毎年の船底掃除・再塗装、係留設備の更新、船検、エンジンのメンテナンスなど取られる手間・時間が加速度的に増えます。

大きいことはいいことだ・・・というのは雑誌や業者や広い意味でマスコミがそう言っているのを刷り込まされているのです。メーカーや業者は売るため、雑誌やマスコミはスポンサーにすりすりします。

ヨット遊びが好き・・・というのではなく、単に浮かぶ別荘が欲しいだけの人は別です。

また、どうしても外洋に出たい、太平洋横断もしたい・・・それに燃える、人生を賭けるという人は大きなヨットにしてください。

軽く楽しめるスポーティヨット

私が小学生の頃、ホンダがs500というスポーツカーを売り出しました。私はこの車がものすごく気に入り、おとなだったら絶対買いたかった。小学生なのでプラモデルで我慢しましたが、ポルシェやムスタングより、余程気にいってました。小学生のくせにエンジンは水冷 DOHCとかチェーン駆動とか、好きだったなあ


画像参照 wikipediaより

たとえば、この車乗ったとして「いつかはクラウン」にはなりません。500ccだからといって2000ccより楽しめないという訳ではないのです。

この車は私年代に他にファンが多かったようで、軽としてリバイバルして欲しいという要望がずーっとありました。

ホンダは昨年、全く復刻ではないがそれを意識してs660(軽)を販売開始しました。何ヶ月待ちらしいです。

DaySailer17はプレジャーディンギー5mクラス とでも言うべきカテゴリー

ちゃんとカテゴリーが定義されてないのが問題の始まりです。

「クルーザーでもない、ディンギーでもない、新しいカテゴリーのヨット」(https://www.rivre.co.jp/product/actus/ ACTUS17のコピー)と言うのはいいとしても、それなら新しいカテゴリーを定義しましょうよ。

しかし、100Kgのキールを持つACTUS17はプレジャーディンギーとは言えず 「20ft以下可動キールボート」分類になります。これも特に分類に無いので私が作りました。重要なカテゴリーです。

本来、ハーバー置き費用をディンギー並みにできる可能性を秘めており、レース愛好家が多いことを考えるとワンデザインであることは好都合なのです。(コストダウンにも) 頑張ればインターナショナル規格にもできます。

お金のかからないヨット クラス

このクラスは本当は最も遊べる、費用も掛からないはずのクラス*なのですが、それを意識したヨットハーバーが日本では皆無なため、ほとんどのハーバーで維持費はキール艇と同じだけ取られます。よって全く普及しません。

_ *バリバリのレース艇など話は別。千万円単位でお金かけてるレーサーもいる

もし20ft以下可動キールボートを年10万円以下で置けるハーバーが増えれば 日本でもメルジェス20(ドイツ)のような楽しいヨットが売れると思います。かっては1980年頃、YAMAHA20ワンデザインという名艇を出していました。
↓メルジェス20

↓YAMAHA20ワンデザイン 2010年頃神戸湾

ACUS17が販売開始された2000年頃は何百万円するヨットの新艇は全く売れず、高度成長期、バブル期に買われた中古が大量に売りに出されており、100万円も出すと結構な中古ヨットを購入することができました。

そこで、ヨットメーカーはサラリーマンでもローンで買え、手軽に持てる200万円以下の新艇を開発して売りたかったのです。

青木ヨットは15ftのZEN15を発売し、何とツーリング・ディンギーという新たなコンセプトを提案したのです。→https://www.aokiyacht.com/ah15/
このコンセプトには共感できる点は多いのです。

引用「・・・究極の自信は、ディンギーによる長時間帆走から、自ずと生まれる。チンしない帆走法を身につけ、荒天と戦える人間となったとき・・・」

60歳になって沈はいやだよね、という人は多い、それを逆手に取って、あえてチャレンジしょうと、、

しかし私はそのコンセプトこそ5mクラスプレジャーディンギー、即ちDaySailer17ではないかと思うのです。

そしてそれが、17フィートセンターボード艇の醍醐味だろうと思うのです。

なぜ5mなのでしょうか。それはやはり瀬戸内海をセール航行するとなると5mは欲しいのです。広いコクピット、長いホイールベースも魅力です。5m以上あると人力での昇降が難しくなり、ディンギー置場に置けない可能性もあります。
人によってはエンジン(5馬力船外が最適)積みたいでしょうが取り付け可能になってます。

↓瀬戸内海の小島セーリングなどで浅瀬に係留してキャンピング  DaySailer17ならではの楽しみ方です

プレジャーディンギー5mクラスの定義

  • 基本、ディンギーハーバーに置く(陸置)⇒ 置き料は桁違いに安い
  • 船体重量200Kg程度 船長5m程度(以下)
  • エンジン使わない 補助動力:オールとか櫓使える
  • 船台に載せ人力で移動できる、スロープ降ろせる
  • ラフ天に備え、リーフが可能
  • 4名はらくに乗れる
  • レース艇ではない。スポーツ艇
    さらにプレジャーたるゆえんは
  • エンジン積んでスキューバーダイビングの基地とか
  • 釣り船とか 多目的に使える (免許、船検が必要です)
  • マストは可倒式または簡単に外せる